銀行のカードローン事業はおまけ?中国銀行の商品概要に思うこと

カードローンなどの個人向け融資に、銀行や信用金庫といった金融機関が積極展開をするようになってまだ日が浅いせいか、本来の銀行業務とは違った取扱いをされているのが現状です。

銀行本来の業務というのは、顧客に口座を開設してもらい、お金を預けてもらうこと。そして、その預金を運用資金にして利益を出し、利息という形で顧客へ還元する。これがメインの業務です。さらには、投資信託の販売窓口になったり、外貨取引きの窓口になったりといった投資に対する窓口・アドバイザー的な業務や法人(会社)向けの融資を行うことがかなり前から行われていたものです。

個人向け融資については、「住宅ローン」や「自動車ローン」といった大口融資が知られていますが、個人のキャッシングに対する業務を大々的に始めたのは、他の業務よりも日が浅く、特に非正規雇用の方でもOKとしたカードローンなどはここ十数年での新しい取り組みのジャンルです。

岡山県を中心に隣接県を営業エリアにしている中国銀行も個人向けカードローンを発行していますが、その内容の中に「エリア限定」という記載がありません。では、全国対応なのかというと、商品概要をじっくり見た後、さあ申込みボタンを押すぞ!と「申し込む」をクリックした画面に…

『ご住所またはお勤め先が当行の営業区域内にある方』という記載が…。

本来の口座開設などについては、「営業エリア内」という限定は中国銀行に限らず、他の銀行にもありません。むしろ、インターネット支店を開設して、全国各地から口座を作れるようにしている銀行すらある時代です。しかし、借りる方になると、今回例に挙げた中国銀行のように、「エリア内が当たり前」かのような注意事項としてちょこっと書いてある銀行が多数あります。

借り逃げなどのリスクを考えれば当然のこととも言えますが、近隣のエリア対象外になる人にしてみれば、「最初に書いてくれないかな。それがわかっていれば検討からすぐ外せるんだけど」と不満に思わざるを得ません。

地方銀行の中には、全国規模で申込みが可能なカードローンを展開しているところもあるだけに、「この商品はエリア限定なのか」を最初の段階でわかるように記載する銀行が増えることを望まずにはいられません。

閉じる